2008年04月27日

産経新聞yori




田中秀幸料理長が考案した薬膳の加齢臭対策メニューから。手前は市販のチルド麺を使い、肝臓の働きを助ける野菜をたっぷり加えた「焼きそば」。奥の「赤魚の酒蒸し」は抗酸化力の強い食材を組み合わせた一品
 中高年特有の体臭「加齢臭」。陽気がよくなり、薄着になると気になる人も多いのでは。加齢臭は不快なにおいというだけでなく、「生活習慣病のサイン」ともいわれる。体を清潔に保つことが大切だが、普段の食生活で体の内側から改善することも必要だ。(榊聡美)

加齢臭が出ている?ゴリと合唱する夏帆

 ≪生活習慣病と同じ≫

 まず、加齢臭はどのように発生するのだろうか。

 加齢臭の原因はノネナールと呼ばれる物質。ノネナールは皮脂腺から分泌される「9−ヘキサデセン酸」という脂肪酸が、皮膚の常在菌などにより化学変化を起こしてつくられる。この脂肪酸は年齢とともに増加し、また中高年になると、過酸化脂質が増えて化学変化を起こしやすくなることが解明されている。

 『40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)を監修した五味クリニックの五味常明院長は「血管の中にコレステロールが蓄積されるのと同じように、皮脂腺にも脂肪分が増える。脂肪分が多くなれば、ノネナールの量も多くなる」と話す。

 暴飲暴食や動物性脂肪の摂りすぎといった不摂生な食生活は、皮脂腺から出る脂肪酸の量を増やし、また喫煙やストレスの多い生活は過酸化脂質を増やすことから、加齢臭を強くする。ちょうど生活習慣病につながる要因が、ノネナールを増やす原因になっているのだ。五味院長は「急に加齢臭が強くなったり、若いうちから加齢臭が出たりするのは注意すべきです」と指摘する。

 ノネナールを減らすためには、体の内側からの対策が必要だ。それには、まず皮脂腺の脂肪酸の原因となる肉類、バターなど、脂質の摂取を抑えること。そして抗酸化作用のある食べ物を意識的に摂ること。主な抗酸化物質は、ビタミンC・E、大豆製品に含まれるイソフラボン、ゴマのセサミノールなどが挙げられる。このほか、梅干しや海藻類、それにワサビなどの薬味も有効だという。

 五味院長が勧めるのはずばり、和食。「古くは仏教では体から出るにおいは不浄とされていたため、精進料理は体臭を抑える食材が使われていた。つまり、和食は“食べる消臭剤”なのです」と説明する。

 ≪薬膳で体質改善≫

 「加齢臭を抑えるには、酸化しにくい『抗酸化体質』を目指すことが肝心です」。こう話すのは、国際薬膳調理師の資格をもつ、虎ノ門パストラルホテル(東京都港区)の中国料理「天壇」の田中秀幸料理長。「手軽にできる薬膳(やくぜん)の加齢臭対策メニューを考えてみました」

 まず一品目は、目にも鮮やかな「赤魚の酒蒸し」。真ダイと、パプリカ、グリーンアスパラガスなどの野菜を組み合わせ、オイスターソースをベースにした合わせ調味料を加え、電子レンジで調理する簡単メニュー。「色のきれいなものは抗酸化効果が高い」と田中料理長。

 次に食卓の定番「焼きそば」。肉類を使わず、肝臓の働きを助け、デトックス(解毒)効果が期待できるレタス、キャベツ、ブロッコリーなどの野菜をたっぷりと使い、仕上げにのりを散らすのがミソだ。

 加齢臭は男性特有のものではない。気になり始めたら、食生活を見直してみてはいかがだろうか。

posted by 院長 at 17:29 | Comment(2) | TrackBack(5) | 健康情報!

2008年04月18日

 「5大ビタミン欠乏症」と呼ばれる病気があることをご存知でしょうか。<span style="color:#CB0000;">脚気、ペラグラ、壊血病、くる病、悪性貧血−−いずれもビタミンが欠乏することで起こる疾患です。食生活が豊かになった現在ではさほど心配する必要はないが、過去には多くの人を悩ませ、これらの研究をする過程でビタミンが発見され、注目されてきたのであります。その歴史をひも解いてみましょう!

兵士たちの病気から発見されたビタミン

 ビタミンが発見されるまで、不可解な症状に悩まされる人は後を絶たなかったのです。とくに15世紀中ごろから17世紀中ごろまで続いた大航海時代には、多くの船乗りたちが壊血病で死んでいきました。インド航路を発見したあのヴァスコ・ダ・ガマも、半分以上の船員を壊血病で失い、命からがらポルトガルに帰還したといわれています。

 謎の病を防ぐ方法を発見したのは、ジェームズ・リンドというイギリス海軍の船医。彼は18世紀中ごろ、兵士たちを相手に実験を行い、オレンジやレモンなど柑橘系の果物が壊血病を予防することを知ったのです。以来、イギリス海軍ではライムジュースを兵士たちに支給するようになったといいます。

 さらに、19世紀末にはオランダの医学者、クリスチアーン・エイクマンが米ヌカの中に脚気に効く有効成分を発見。さらにポーランドの化学者、カジミール・フンクが抽出した成分にはアミンが含まれていたため、フンクはこれを「生命のアミン」、すなわち「ビタミン」と名づけたのです。

 このビタミン発見の歴史には裏話がある。じつはフンクより1年前、日本の農化学者、鈴木梅太郎が同成分の抽出に成功していたのです。彼はこの成功を世界に向けて発表したが、論文の翻訳ミスがあったため、「新しい栄養素」としてアピールできませんでした。結局、せっかくの発見も国外ではまったく注目されなかったのです。


5大ビタミン欠乏症って?

ビタミンB1が不足すると…脚気

 脱穀によってビタミンB1が失われた白米を常用している地方に多発していました。当時は食生活が貧しかったことから、副食では十分にビタミンB1を摂れなかったからです。日本でも明治時代には、1年に1万人も死亡者が出ていた病気です。腱反射の消失、心臓の肥大をもたらします。

ナイアシンが不足すると…ペラグラ

 ナイアシンとはビタミンB3のことです。アルコール依存症で偏食の人に見られます。イタリア語で「荒れた肌」という意味。皮膚の炎症、消化器系の異常、中枢神経の異常が起こり、痴呆もあらわれます。

ビタミンCが不足すると…壊血病


 6世紀から18世紀の大航海時代には、この病気の原因が分からなかったため、海賊以上に恐れられていました。歯茎や皮膚などからの出血や貧血、体重減少、免疫力の低下などが起こります。

ビタミンDが不足すると…くる病


 成人の発症は骨軟化症と呼ばれる。かつては日照の少ない地方で多発していました。日光浴をするとくる病が起こらないのは、皮膚でプロビタミンDからビタミンDが作られるためです。カルシウムが骨に沈着せず、骨が盛り上がることで、肋骨のこぶや鳩胸、低身長などが起こります。

ビタミンB12が不足すると…悪性貧血


 昔は原因不明で死に至ることもあったため、悪性貧血と名づけられました。黄疸などの症状が見られ、血液中に異常に大きい赤血球が出現する進行性の貧血。


あなたも潜在性ビタミン欠乏症!?

 「なんとなく元気がない」「肌荒れがひどい」「体がだるい」。そんな不調を抱えている人は要注意です。ビタミン不足による「潜在性ビタミン欠乏症」の可能性が大だからです。ビタミンの体内貯蔵量が減ると、明らかな病気にまでは至らないものの、体がつねにイエローサインを出すようになります。背景にあるのはインスタント食品や外食、極端なダイエット、偏食など。環境や流通事情の変化で、野菜や果物に含まれるビタミンそのものが減っているという見方もあります。

ビタミン不足にならないように、食生活には十分に留意しましょう。サプリメントを効果的に取り入れるのもおすすめです。とくに効果的なのは、マルチビタミン。最近はミネラルを多く配合したものも増えており、必要な栄養素をバランスよく摂取できるようになっています。
「ビタミン不足が恐れられた時代は過去のもの」と片付けず、しっかりビタミン摂取するよう心がけたいものですね。


posted by 院長 at 18:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報!

2008年04月09日

カロリーはオーバーしがちなのに、なぜか不足してしまうミネラル。もしかしたら、ミネラル不足は深刻な現代病かも!?


原因は、土にある!?


一般的に、ペットボトルのミネラルウォーターは外国産の方がミネラル分が多いということはご存知だろうか。そもそも私たちが住む日本の土壌は、欧米に比べるとミネラル分がかなり少ない。だから、日本の土地で育つ水や野菜など食べ物のミネラルも少なめなのです。
さらに近年は、度重なる化学肥料や農薬の使用によって土のミネラルバランスが崩れています。このため、食べ物自体に含まれているミネラル量も昔に比べて減少してしまっているといいます。日本の土地は、ミネラルが不足しやすい環境なのであります。



ミネラルは忘れられた栄養素!?


現代人のミネラル不足の原因として、見逃せないのが食生活の変化。現代人の食事は昔に比べてミネラルが少なめ。例えば米、小麦、砂糖…。一般的にどんな食品でも、精製が進むほどミネラルは失われていきます。より食べやすくおいしいもの、と食品が精製される一方で、含まれるミネラル量は減少してしまっているのです。

食品名 ミネラルの種類と量(可食部100g当たり 単位:mg)


    カルシウムCa  鉄Fe マグネシウムMg  亜鉛Zn  銅Cu
玄 米    9     2.1   110       1.8   0.27
精白米   5      0.8    23       1.4   0.22
    (44%減) (62%減) (79%減)   (22%減) (19%減)
玄 穀   36     2.9   110       1.7   0.32
小麦粉   23     0.6    12       0.3   0.09
    (36%減)  (79%減) (89%減)   (82%減) (72%減)
黒砂糖   240     4.7    31       0.5   0.24
上白糖    1     微量   微量      微量   0.01
   (99.5%減)  (100%減) (100%減)  (100%減) (96%減)


(五訂日本食品標準成分表より)





ミネラルを補給しにくい現代の食事


インスタントやレトルトなど、加工食品の存在も見逃せない。例えば、多くの清涼飲料水や加工食品には、添加物として「リン酸塩」が加えられています。リンもミネラルだが、むしろ過剰摂取が問題になっている栄養素。多く摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまうのです。カルシウムとリンは1:1の割合で摂るのが理想。しかし、現代の食事はリンの摂取量が多く、カルシウムの摂取量が追いついていません。手軽で便利な加工食品は現代の食事には欠かせないものとなっているから、加工食品が多い食事のときには、手軽なサプリメントなどでカルシウム補給を心がけたいですね。
posted by 院長 at 15:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報!