今日の佐賀新聞を見たでしょうか?
怖いですね〜。
いよいよ、MOX燃料がフランスから数日中に運ばれることがわかりました。日本に着くまでに2ヵ月半かかるので、おおよそ5月中旬ごろではないでしょうか。
今日はパート3です。
ほんとに原子力のことをみんなに知ってもらいたいと思っているので、しっかり読んでくださいね。
○ウラン原子炉からプルトニウム増殖炉への具体的シナリオ
この高速増殖炉に対して、燃料にウランだけを使う現在の日本の商業用原子炉では、高速中性子を水中で走らせ、スピードを落とした中性子(熱中性子 thermal neutronと呼ばれる)を使うほうが、ウラン235が核分裂しやすい。
ここに登場したサーマルがプルサーマルの語源であります。
日本では、国内第1号の東海第一原子炉がガス冷却だった以外は、そのあとの原発はすべて、水を使う方法を採用しています。
原子炉にある水の役割は、「中性子の減速と燃料棒からの熱を奪う冷却」を兼ねており、このように普通の水を使う原子炉を、カナダで使われている重水を使う原発に対して、軽水炉といい、2009年時点で運転されている日本の商業用原子炉はすべて軽水炉であります。
こうしてウランが核分裂を続け、燃料棒が放射性廃棄物によって危険な状態に近づくと、1年〜1年半に1度原子炉を止めて、ほぼ3分の1づつ交換しないといけません。
こうして取り出した使用済み核燃料の中には、1%程度のプルトニウムが生成されています。
このプルトニウムは、プルトニウム238、239、240、241、242の5種類が生まれ、奇数の239と241が核分裂するプルトニウム、偶数は核分裂しにくいプルトニウムであります。
原子力にとっては前者の発生量が重要となり、放射能の危険性を考える場合にはプルトニウムの全量が問題になるのです。
使用済み核燃料中のプルトニウムは、核分裂性7割、非核分裂性3割ぐらいの割合になります。
その使用済み核燃料を、硝酸と爆発性有機溶剤(燐酸トリブチル)を用いて化学的にウランとプルトニウムを取り出し、精製するプロセスを再処理といいます。
かくして、プルトニウムを高速増殖炉に入れ、プルトニウムを再生産しよういう計画が始動しました。
この「再処理」技術の確立と、取り出したプルトニウムを燃やす専門の原子炉「高速増殖炉」、この二つの技術開発が、原子力の技術開発の真の目的であったのです。
しかし、21世紀を迎える前に、再処理はアメリカ・ドイツが撤退し増殖炉はアメリカ・イギリス・ドイツ・フランスが、いずれも開発に失敗して断念したのです。
2000年以後、イギリスとフランスが、かろうじて再処理工場を運転してきたが、この両国ともプルトニウム増殖という当初の目的を失ったもので、もはや再処理も無用となったのです。
一体、どのような理由から、理想のシナリオが全世界で崩れたのか。
後発組の日本は、1995年に高速増殖炉“もんじゅ”がナトリウム火災を起こして運転停止し、電力業界でも絶望的と見られる中、「再処理工場の運転」の看板を掲げて、いまだに計画が断念されていません。
その将来に待ち受けているものはなにか。
またまた次回につづく。
怖いですね〜。
いよいよ、MOX燃料がフランスから数日中に運ばれることがわかりました。日本に着くまでに2ヵ月半かかるので、おおよそ5月中旬ごろではないでしょうか。
今日はパート3です。
ほんとに原子力のことをみんなに知ってもらいたいと思っているので、しっかり読んでくださいね。
○ウラン原子炉からプルトニウム増殖炉への具体的シナリオ
この高速増殖炉に対して、燃料にウランだけを使う現在の日本の商業用原子炉では、高速中性子を水中で走らせ、スピードを落とした中性子(熱中性子 thermal neutronと呼ばれる)を使うほうが、ウラン235が核分裂しやすい。
ここに登場したサーマルがプルサーマルの語源であります。
日本では、国内第1号の東海第一原子炉がガス冷却だった以外は、そのあとの原発はすべて、水を使う方法を採用しています。
原子炉にある水の役割は、「中性子の減速と燃料棒からの熱を奪う冷却」を兼ねており、このように普通の水を使う原子炉を、カナダで使われている重水を使う原発に対して、軽水炉といい、2009年時点で運転されている日本の商業用原子炉はすべて軽水炉であります。
こうしてウランが核分裂を続け、燃料棒が放射性廃棄物によって危険な状態に近づくと、1年〜1年半に1度原子炉を止めて、ほぼ3分の1づつ交換しないといけません。
こうして取り出した使用済み核燃料の中には、1%程度のプルトニウムが生成されています。
このプルトニウムは、プルトニウム238、239、240、241、242の5種類が生まれ、奇数の239と241が核分裂するプルトニウム、偶数は核分裂しにくいプルトニウムであります。
原子力にとっては前者の発生量が重要となり、放射能の危険性を考える場合にはプルトニウムの全量が問題になるのです。
使用済み核燃料中のプルトニウムは、核分裂性7割、非核分裂性3割ぐらいの割合になります。
その使用済み核燃料を、硝酸と爆発性有機溶剤(燐酸トリブチル)を用いて化学的にウランとプルトニウムを取り出し、精製するプロセスを再処理といいます。
かくして、プルトニウムを高速増殖炉に入れ、プルトニウムを再生産しよういう計画が始動しました。
この「再処理」技術の確立と、取り出したプルトニウムを燃やす専門の原子炉「高速増殖炉」、この二つの技術開発が、原子力の技術開発の真の目的であったのです。
しかし、21世紀を迎える前に、再処理はアメリカ・ドイツが撤退し増殖炉はアメリカ・イギリス・ドイツ・フランスが、いずれも開発に失敗して断念したのです。
2000年以後、イギリスとフランスが、かろうじて再処理工場を運転してきたが、この両国ともプルトニウム増殖という当初の目的を失ったもので、もはや再処理も無用となったのです。
一体、どのような理由から、理想のシナリオが全世界で崩れたのか。
後発組の日本は、1995年に高速増殖炉“もんじゅ”がナトリウム火災を起こして運転停止し、電力業界でも絶望的と見られる中、「再処理工場の運転」の看板を掲げて、いまだに計画が断念されていません。
その将来に待ち受けているものはなにか。
またまた次回につづく。
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