2009年03月02日

報道されない『原子力の不都合な真実』2

ちょっと重い話しなんだけど、今日の新聞にもMOX燃料が1,000トンも運ばれてくるって新聞に書いてあったからビックリ(゜o゜;)

信じられない感じです。

今日はパート2です。

◆なぜ高速増殖炉が必要か

○核分裂する天然ウランはわずかしか存在しない

原子炉で使われるウランには、ウラン235とウラン238の2種類があります。

235と238の数字はそれぞれの原子核をつくる粒子(陽子+中性子)の個数を示します。

ウラン235に中性子が衝突すると、原子核が分裂して熱を出します。

これに対してウラン238は中性子が衝突してもほとんど核分裂しないが、中性子を吸収して短時間でプルトニウム239に変化する性質があります。

そのプルトニウムに中性子が衝突するとやはり原子核が分裂して熱を出します。

これらの熱を利用して蒸気をつくり、タービンを回すのが原子力発電の原理であります。

しかしここで、核分裂によって人工的に生み出された原子は不安定で、α線、β線、γ線などの放射線を出す高温度の放射性物質となり、のち高レベル高レベル放射性廃棄物と呼ばれ、生物の細胞を破壊して、癌、白血病などを引き起こす超危険物であります。

さて原子力発電をしようとしても、地中から掘り出された天然ウランには、「核分裂するウラン235」がわずか0.7%、つまり、1,000分7しか入っていないので、燃料をするために濃度を高めます。

原爆の核兵器では93%以上に濃縮していますが、日本の原子炉で使われるウランは、核分裂性ウランを大体3〜5%程度に濃縮しています。

つまりウラン資源は、鉱石中に0.7%というごくわずかしか存在しない効率の悪いものであります。

「核分裂しないウラン238」をプルトニウムに変えて利用しようとしました。


プルトニウムを増殖させる計画がスタートした

残りの99.3%を占めるウラン238は、0.7%に比べれば142倍も存在しています。

原子炉の中で、核分裂から出る中性子をウラン238にぶつければプルトニウムに変わる、その原理を利用しようとしたのが、資源を増やす高速増殖炉です。

日本で計画されてきた高速増殖炉“もんじゅ”では、中心部にプルトニウムを20%前後に濃縮したウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(mixed oxxide of uranium and plutoniumを略してMOX燃料と呼ばれる)を入れておき、そのウラン238を配置し、高速度のナトリウムを液体として使います。

プルトニウムが核分裂しながら、核から飛び出した高速度の中性子がナトリウムの中を走り、これを具合よく周囲のウラン238に捕獲させます。

こうして役立たずだったウランがプルトニウム239に変化していきます。

こうして消費されたプルトニウムより、新しく生まれたプルトニウムの量が多ければ、燃料は増殖することになります。

発電と、資源増加で、一石二鳥だというわけです。

高速増殖炉(fast breeder reactor-FBR)とは、高速で増殖するという意味ではなく、核分裂で発生する高速中性子を使うことを意味します。

この原子炉の開発に成功すれば、ウラン資源を100倍以上使えるので、ウランが40年で枯渇しても、高速増殖炉があれば、4000年以上も資源が使えるのです。

ところがそうはならなかった!!

まだまだ、長文になるので、今回はここまで。

次回に続きます。




posted by 院長 at 18:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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