2009年03月05日

アメリカ・イギリス・フランス・ドイツが高速増殖炉に失敗した三つの理由

○高速増殖炉の技術的な危険性

□燃料のプルトニウムの毒性は、耳かき1杯で数万人を殺戮できるほど大きく、プルトニウム239は放射能が半減するまで2万4000年を要します。

□プルトニウム燃料は、ウランに比べて中性子を吸収しやすく(核分裂しやすく)、そのため核暴走が起こりやすく、核暴走のスピードも大きい。

フランスの高速増殖炉フェニックスでは、たびたび核分裂反応の暴走事故が発生し、出力上昇が100分の5秒という短時間に起こりながら、いまだに原因が解明されていない。

しかも、このような核暴走に対して、増殖炉では制御棒のほかに対策がなく、軽水炉に備えられている緊急炉心冷却装置(ECCS)さえ持たない。

□アメリカの高速増殖炉では炉心溶融事故を2度も起こしているが、わずかでも炉心溶融が起これば、プルトニウム濃度がその部分で高まり、急速な臨海反応によって原子炉が原爆化する可能性があります。

□燃料からから熱を奪うために使われるナトリウムは、金属パイプの壁一枚を隔てて、発電用として水蒸気を発生させる水と隣り合っています。このナトリウムは、水とはんのうして爆発炎上し、高温では空気とも反応して炎上する性質があります。

さらにナトリウムの腐食性が大きいので、配管事故が起こりやすく、伝熱パイプに亀裂が生じたり破損すれば、たちまち爆発に進展する可能性が高い。

イギリスでは1987年2月、高速増殖炉PFRで、蒸気発生器の細管ギロチン破断事故が発生し、40本の細管を連続破断させるドミノ倒し現象が起こり、かろうじて大惨事を免れた。

□軽水炉の水蒸気温度が300度であるのに比べて、増殖炉ではナトリウムが500度以上、水蒸気温度も500度近い温度であります。

この高温は、原子炉の停止時と運転時に、配管を大きく膨張・収縮させ、しかも伝熱パイプの内側と外側の圧力差は、130気圧ときわめて大きい。

このような厳しい条件にさらされるため、ごくわずかな金属欠陥があるだけで大事故を誘発しやすく、特に、高速増殖炉で使われる薄く大口径の配管は、地震に対してほとんど無力なのです。
posted by 院長 at 18:52 | Comment(0) | TrackBack(167) | 日記

今日は遠方からのお客様で、筋肉細胞がだんだんと死んでいき、筋肉が弱っていくという難病の方が見えられました。

進行型で、5年前から痛みが発生して、その病気がわかったのは3年前だそうです。
現代医学では、これといった治療法がなく、ステロイド剤を投与していて、副作用が強くて…と言われていました。触診すると大腿四頭筋は筋肉にくが衰えていて、お客様には「ごめんなさい、痛みを和らげることは出来ても、僕には治すことはできません。」と告げました。

せっかく人から聞いて、佐賀まで見えられたのですが。

治してあげたい、力になってあげたいと思うけど、僕には何もできないことが残念でなりません。

僕が神であればいいけど。

誰かいい情報あったら教えてくださ〜い。
posted by 院長 at 00:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2009年03月03日

今日の佐賀新聞を見たでしょうか?

怖いですね〜。

いよいよ、MOX燃料がフランスから数日中に運ばれることがわかりました。日本に着くまでに2ヵ月半かかるので、おおよそ5月中旬ごろではないでしょうか。

今日はパート3です。

ほんとに原子力のことをみんなに知ってもらいたいと思っているので、しっかり読んでくださいね。

ウラン原子炉からプルトニウム増殖炉への具体的シナリオ

この高速増殖炉に対して、燃料にウランだけを使う現在の日本の商業用原子炉では、高速中性子を水中で走らせ、スピードを落とした中性子(熱中性子 thermal neutronと呼ばれる)を使うほうが、ウラン235が核分裂しやすい。

ここに登場したサーマルがプルサーマルの語源であります。

日本では、国内第1号の東海第一原子炉がガス冷却だった以外は、そのあとの原発はすべて、水を使う方法を採用しています。

原子炉にある水の役割は、「中性子の減速と燃料棒からの熱を奪う冷却」を兼ねており、このように普通の水を使う原子炉を、カナダで使われている重水を使う原発に対して、軽水炉といい、2009年時点で運転されている日本の商業用原子炉はすべて軽水炉であります。

こうしてウランが核分裂を続け、燃料棒が放射性廃棄物によって危険な状態に近づくと、1年〜1年半に1度原子炉を止めて、ほぼ3分の1づつ交換しないといけません。

こうして取り出した使用済み核燃料の中には、1%程度のプルトニウムが生成されています。

このプルトニウムは、プルトニウム238、239、240、241、242の5種類が生まれ、奇数の239と241が核分裂するプルトニウム、偶数は核分裂しにくいプルトニウムであります。

原子力にとっては前者の発生量が重要となり、放射能の危険性を考える場合にはプルトニウムの全量が問題になるのです。

使用済み核燃料中のプルトニウムは、核分裂性7割、非核分裂性3割ぐらいの割合になります。

その使用済み核燃料を、硝酸と爆発性有機溶剤(燐酸トリブチル)を用いて化学的にウランとプルトニウムを取り出し、精製するプロセスを再処理といいます。

かくして、プルトニウムを高速増殖炉に入れ、プルトニウムを再生産しよういう計画が始動しました。

この「再処理」技術の確立と、取り出したプルトニウムを燃やす専門の原子炉「高速増殖炉」、この二つの技術開発が、原子力の技術開発の真の目的であったのです。

しかし、21世紀を迎える前に、再処理はアメリカ・ドイツが撤退し増殖炉はアメリカ・イギリス・ドイツ・フランスが、いずれも開発に失敗して断念したのです。

2000年以後、イギリスとフランスが、かろうじて再処理工場を運転してきたが、この両国ともプルトニウム増殖という当初の目的を失ったもので、もはや再処理も無用となったのです。

一体、どのような理由から、理想のシナリオが全世界で崩れたのか。

後発組の日本は、1995年に高速増殖炉“もんじゅ”がナトリウム火災を起こして運転停止し、電力業界でも絶望的と見られる中、「再処理工場の運転」の看板を掲げて、いまだに計画が断念されていません。

その将来に待ち受けているものはなにか。


またまた次回につづく。
posted by 院長 at 16:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記