2009年03月06日

報道されない『原子力の不都合な真実』5

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本題に入る前に、かずよしさんがすばらしいことを自らのブログで発信していたので、僕も一緒になろうと思い、写真を掲載しました。

廉太君が残したもの

廉太君は拡張型心筋症で、わずか12歳で1月24日に体と魂がお別れして、天国に行ってしまいました。

廉太君が「愛犬、マーブルが雲になって遊びにきてくれた」と大喜びで撮影したものです。

「勇気と優しさと幸せを運ぶ犬の雲」

僕たちに廉太君が犬の雲で、教えてくれていることに心をうたれました。

廉太君のご冥福をお祈り申し上げます。


本題に入りますね。

○プルトニウム増殖の理論は事実上破綻した

□現在、電力業界で、高速増殖炉の成功を信じる人間はほとんどいません。

それは、技術とコストによる本質的な問題にあります。

「核分裂しないウランを利用してプルトニウムを増殖する」という核反応そのものが、実際の増殖炉リサイクルの中で効率的に起こらないことが判明したからです。

近年の知見によれば、高速増殖炉が無事故で運転されても、プルトニウムが100倍になるのではなく、90年後にプルトニウムがようやく2倍になる可能性があるにすぎないといいます。

この驚くべき事実は、1993年5月23日にNHKスペシャル「プルトニウム大国・日本」で電力会社サイドの予測として紹介され、のと動燃の幹部も認めるに至っています。

増殖率が90年で2倍になるということは、銀行の複利計算と同様に考えれば、利率0.0078であり、現在の日本の貯金金利と同じくほぼゼロということであります。実質的に増殖しないのです。

さらに最大の壁は、プルトニウムのリサイクルを達成するには、数十基という大量の大型増殖炉が必要となり、この建設・稼動は絶対不可能なのです。

そしてもう一つの大きな問題は、「増殖炉から発生する使用済み核燃料(使用済みMOX燃料)」を再処理する技術が日本にないことです。

この化学処理に成功しなければ、プルトニウム原料は得られず、プルトニウム・リサイクルのシナリオ自体がなりたたないのです。

なぜ使用済みMOX燃料を再処理できないのか。

この理由は、MOX燃料を使うプルサーマルでも同じなので、次のプルサーマルの項で述べます。

次回に続く。
posted by 院長 at 15:49 | Comment(0) | TrackBack(2) | 日記
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