2008年03月13日

快眠と栄養素の話 〜質の良い睡眠をとるには〜

 睡眠には心と体を休息・回復させ、新しい一日への活力を生み出す大切な役割があります。しかし現代の環境で質の良い睡眠を十分に取るのは難しく、約2割の人が何かしらの睡眠障害を抱えているといいます。

睡眠障害のパターン
 睡眠障害を大まかに分けると、以下の3タイプが挙げられます。

「寝付きが悪い」……睡眠に入るとき、神経が興奮しているためなかなか寝付けない状態です。ゲームやパソコンのやりすぎ、昼間のストレスによる神経の緊張、運動不足などで神経が興奮しているせいです。まずはその原因を取り除き、環境を整え、心身ともにゆったりとリラックスさせる必要があります。

「途中覚醒」……眠りが浅く、夜中に何度も目がさめてしまう状態です。そのまま朝まで眠れないことも多いようです。

「睡眠が浅い」……眠ることはできるのですが、長時間寝たはずなのに朝の寝覚めがすっきりしなかったり、昼間いつまでも眠気をひきずっている状態です。

 途中覚醒と浅い睡眠は自律神経の乱れが原因です。人は体内に睡眠のリズムを持っていて、夜になると睡眠を司るホルモンが働き自然と眠くなります。しかし自律神経が乱れていると睡眠ホルモンの分泌が衰え、睡眠リズムが狂ってしまうのです。

 睡眠中は脳を休息させるノンレム睡眠と、身体を休息させるレム睡眠が一定リズムで訪れるのですが、このリズムが狂うと長時間寝ても脳の疲れがとれません。朝起きてもだるく、昼間眠気を催してしまうのです。

 以上のことから、良い睡眠を得るにはストレスの原因を取り除くこと、そして規則正しい生活をし、自律神経を整えることが重要だと分かりますね。

 手っ取り早く「睡眠薬を飲めばいい」という人もいるでしょう。とりあえずすぐに眠らなくてはならないときにはそれも有効です。医師から処方される睡眠薬に抵抗がある人には、最近では店頭で気軽に購入できる睡眠導入薬が何種類か販売されています。

 ただ、いずれも使用は一時的なものとして考えた方がいいでしょう。耐性がつき、徐々に強い薬を求めるようになったり、副作用の心配もあります。長期的なよい睡眠を得るためには、身体のリズムを根本的に整えなくてはなりません。


睡眠改善に効果のある栄養素を摂りましょう
カルシウム、ラクトピコリン、ビタミンB1など、ストレス緩和栄養素がたっぷり含まれる献立
ストレスを緩和してくれる栄養素
 良い睡眠を得るには、規則正しい良い生活、ストレスの除去、そして効果的な栄養素の摂取が重要になってきます。では、どんな成分が良い睡眠をもたらすのでしょうか。まずはストレスで緊張している頭をリラックスさせる成分を挙げてみます。

 ちまたではすっかり有名になった「テアニン」。これは緑茶に多く含まれていて、脳の興奮を静め、α波を増やし、精神を安定させます。ただ、就寝前にお茶を飲むと、お茶に含まれているカフェインが覚醒作用をもたらしてしまうので、できればサプリメントなどで摂取した方がいいでしょう。

 チョコレートに含まれることで知られる「ギャバ」。 アミノ酸の一種の脳内神経伝達物質で、興奮を抑制し脳をリラックスさせます。発芽玄米やカカオなどに多く含まれています。

「カルシウム」カルシウムが不足すると神経が過敏になり、興奮しやすくなります。食品では海藻、小魚などに多く含まれます。

「ラクッシン・ラクトピコリン」サンチェやサニーレタスに多く含まれる成分で、どちらにも鎮静作用があります。

「ビタミンB1」体内の糖質をエネルギーに分解する手助けをします。不足すると神経が興奮しイライラしやすくなります。豚肉、小麦、卵黄、レバー、たらこ、ひじきなどに多く含まれます。

「硫化アリル」体内でビタミンB1と結合し、ビタミンB1を体内に長時間とどめ、吸収を促進させます。玉ネギのツンとくる香りの成分で、玉ネギ、ニラ、ニンニク、長ネギ、ラッキョウなどにも多く含まれます。

「ハイパーフォリン」西洋オトギリ草(セントジョーンズワート)の有効成分で、落ち込んだ気分を晴れやかにし、イライラを沈めてくれます。セントジョーンズワートのサプリメントは広く市販されています。

睡眠改善をもたらす栄養素を含むおなじみの食材。これなら毎日摂取できそう?
睡眠リズムを整えてくれる栄養素
 次に、睡眠のリズムを司る成分について挙げてみましょう。

「メラトニン」夜になると脳の松果体から分泌されるホルモンの一種です。トマト、バナナ、春菊、アメリカンチェリー、ケールなどに多く含まれています。アメリカではサプリメントとして広く使われていますが、日本では医薬品扱いとなり、市販されていません。

「トリプトファン」脳内でメラトニンに変わる成分です。特に牛乳に多く含まれています。睡眠中の牛から搾乳した大塚の「ナイトミルク」では含有量が更に多いようです。蜂蜜、バナナ、かつお、レバー、大豆などにも含まれています。

「グリシン」最も古くから知られた非必須アミノ酸で、食品添加物(食品の日持ちを長くするため等)として使われてきました。近年味の素の研究により、グリシンには神経伝達物質に働きかけ、睡眠のパターンを正しく整える作用があると発表されました。ホタテ、エビ、ゼラチンなど動物性タンパク質食品に多く含まれます。最近では、味の素から発売されている「グリナ」など、グリシンを含むサプリメントも数多く開発・市販されています。

 栄養素は私たちの身体をつくる元です。毎日の生活を見直し、食事の献立を工夫することが大切です。摂りにくい成分は補助的にサプリメントを利用し、快眠体質をつくっていきましょう。
                             NIKKEI NETより
posted by 院長 at 15:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康情報!
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス(ブログには公開されません):

ホームページURL:

コメント:

認証(表示されている文字列を入力してください):
zqci

この記事へのTrackBack URL
http://sukkiri.area9.jp/tb.html/0026074