2007年07月06日

現代人の病 貧りの病

 現代人は、まさに多くを貪るがきである。

 100年前から、いや50年前から比べれば現代人の生活はお貴族様の生活だ。きれいな衣装を着て、高級車に乗って、自分の欲しいまま美味しいものを食べている。
 
 日本に住んでいて世界中の食べ物で手に入らないものはないだろう。それにもかかわらず、あれがいい、これが欲しいと現代人の欲は尽きない

 確かに自分の中に餓鬼はいる。この餓鬼の意のままにしておけば、やがて自分の体と精神は蝕まれ取り返しのつかない事態となる。ではどうすればよいのか。現代人の心の病の治療方法はあるのだろうか。

 立派な車には立派なブレーキがついていて、安全のために車のハンドルには遊び(余裕のための少しのブレ)が必要なのだそうだ。

現代人の生活は、たとえてみれば高級車と同じで、ちょっとアクセルを踏めばスピードが出る。
 乗りごこちはいいが、乗り方次第では非常に危険だ。必要以上の機能が装備されているためである。スピードが出る車にはそれなりの優れたブレーキが必要だ。ブレーキなしでは車は役に立たない。

 そのブレーキは私たち現代人の生活では何にあたるのか。自制心だけでだいじょうぶなのか。
 「死んだお母さんに申し訳ない。お母さんを悲しませることはできない」これが私たちのブレーキだ。そこまでいかなくても、日ごろ私たちは、お母さんに喜んでもらえるような家庭を築きたいと思っているし、母の願いにそうような生活をしているのではないだろうか。

お母さんという存在は有り難いものである。今は亡きお母さんでも自分と共にあって、たいせつなブレーキになってくれているのだ。

心の中に共に生きてくれているのだ。ここに宗教の原点があるのではないか。

 ハンドルの遊びは何に当たるのだろうか。食事をいただくのにガツガツと食べるのではなく、手を合わせて「いただきます」という余裕。

 ムヵッと腹が立ったときに「オットマテヨ」と自分を振り返る余裕。

悪口をいいたくなるとき、そのまま悪口を自分で呑み込む余裕。いってみればそのような余裕だろう。これは感謝の生活で養われる。
 
 現代人特有の病の治療方法はそんなに難しくはない。自我心という名の自分の車で、貪りの心を追いかけるのだけはやめにしたい。

はんにゃの会 法話より
posted by 院長 at 18:06 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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