2012年10月22日

リンパケアでは圧してはいけない解剖的な理由

さとう式では物理学的な知見から

筋肉を緩めるということはどういうことか

常に考えアプローチしています。

何故弱い力なのか?出来るだけ弱くなければいけないのか?

何故上から下なのか?


多くの人が リンパ リンパと言いながら

リンパとは何か どのようにできるのか?

理解しないまま ただゴリゴリとマッサージを続けています。




まずリンパとは何なのか?その前に血液とは何なのか?

血液とは赤血球を含む 体液のことで 酸素と栄養素を

毛細血管まで運ぶ 毛細血管では 血管壁が薄く網め状になっており

そこから 赤血球や大きなタンパク質(アルブミン)を除く

体液が 細胞と細胞の間に放出されます。 この体液には

白血球は含まれ 白血球の代表がリンパ球であり

この体液のことを リンパ液と言います。組織液 細胞間質液とも

呼ばれ リンパ管内のリンパ液と区別するために 間質リンパとも

呼ばれます。やけどの時の水ぶくれはこの間質リンパであり

リンパ浮腫のリンパは この間質リンパを示します。




この間質リンパ はとても重要で 細胞に酸素や栄養素を運び

細胞から老廃物や合成されたタンパク質 分解されたアミノ酸

を運び 分子量の小さなものは血管に再吸収され

大きなものはリンパ管に吸収されます。



狭義のリンパ液は リンパ管内の体液=管内リンパを示します。

リンパドレナージュはリンパ管開口部のフィラメントを開き

リンパ管内のリンパ液をドレイン 流すものです。

この時 フィラメントの開口は力を入れていけないので

弱い力でしましょうということなのですが

さとう式のリンパケアでは対象としているリンパ液が全く

違うので 弱い圧の理由も全くちがいます。




さとう式では 対象としているのは 間質リンパです。

圧をかけても流れません。組織間 細胞間の体液なので

スポンジにしみこませた水のようなもので圧をかければ

周りに体液が移動するだけです。

ところが筋肉の弛緩と収縮によって 組織間 細胞間の

陰圧陽圧が繰り返されると 

陰圧時に毛細血管から 体液が大量に滲み出し

陽圧時に毛細血管やリンパ管に体液が吸収されます。

ですから外圧が細胞間 組織間にかかると

血管から滲み出す体液圧に拮抗してしまいます。



出来るだけ陰圧にすること 筋肉を弛緩させることが大切で

筋肉を収縮させ陽圧にすることは強さはそれほど関係ありません。

血管から先の体液循環をさせるのは骨格筋のエネルギーなのです。


ポンプの回数によって循環されるので 収縮力が強い必要がありません。




安静時に 毛細血管から細胞間にでてくる 間質リンパの圧力は

毛細血管動脈側の血圧ー膠質浸透圧差 です。

また安静時に 間質リンパから毛細血管に再吸収されるのは

膠質浸透圧差ー毛細血管静脈側の血圧 です。




さとう式リンパケアは 物理的な理由で

できるだけ弱い刺激を心がけています。



皮膚表層のリンパ管にアプローチするわけではありません。

筋肉の走行にそって その筋肉の 間質リンパの循環を

促しているのです。 そしてその筋肉の周りの間質リンパも循環されます。






ただただ弱いほうが結果が出るから 理由もなく弱くしている訳ではなく


弱い力で 血管から出る間質リンパの流れを阻害しないで

筋の弛緩によってより陰圧になり流れやすい環境を整えて

いきます。






圧をかけない むしろ陰圧にする そこが非常に大切であり

それには物理的な理由があります。
posted by 院長 at 00:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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